2008.01.31 Thursday
舞台の上で 仕上がる 人体交響劇『北守将軍と三人兄弟の医者』
発表会の後すぐ、子どもワンダーランドスクールのワークショップに追われているので、発表会なんて遠い過去、黄いろなむかしのことのようだ。写真で、報告します。
1月13日の ものがたり文化の会 宮沢賢治人体交響劇発表会(代々木オリンピックセンター)で、ねもとパーティは『北守将軍と三人兄弟の医者』を発表した。
リハーサルでは男子の多い前田パーティのド迫力の『北守将軍』に圧倒された。(→)
まるで城壁の中でチマチマ暮らしていたフヌケな町民が、鞍もなく馬にまたがった北方騎馬民族に攻め入られたような衝撃だった。私まで発表逃げ出したくなった(笑)
リハーサル室でのあの引きつった瞬間を
体験できただけでも、発表はやるものだ。
ここから ねもとパーティ。
兵隊たちは軍歌をうたふ。
みそかの晩とついたちは 砂漠に黒い月が立つ
ところが馬を降りれない、もう将軍の両足は、しっかり馬の鞍につき、鞍はこんどは、がっしりと馬の背中にくっついて、もうどうしてもはなれない。
黄の綾を着た娘が、馬に花を食べさせて眠らせる。ちーくんの腰が なまめかしい。(笑)
「あ、馬のやつ、・・起きんかい。しつ、ふう、どう」
当日まであまり練習に来られなかったユウキちゃんもヨユーの演技。
おーさんのおたおたぶりがおかしい。
「それではお尋ねいたします。百と百とを加へると答はいくつになりますか」
「百八十ぢゃ」砂漠のために10% イカれてしまった将軍の答えは、あるくんがズッコケます。小6 3人娘で考えた計算の動き、楽しかったね。
じつにこのとき将軍は、三十年ぶりにっこりした。
人間は何%の力を出して生きているか、とたまちゃんが「気」の話をした時、「とつかは、いつも3%位しか 力出してないだろ〜!」とみんなに言われたとつかくん。パーティに入ってまだ10ヶ月初の舞台だったが、この将軍のにっこりは、
彼的には90%の改心の笑み。
舞台の上で、これが引き出せたのは、このチーム全体の力だ。
『ざしき童子のはなし』の録音でも「はしかの子」の名演技(これも初朗読)でメダルを受賞。おいしすぎだろっ!新人とつか!(笑)
なんと ねもとパーティは朗読部門で、
ダブル受賞! あんなトホホなヒドイ録音だったのに、申し訳ない。 「こんなのが ざしきぼっこです!」というれんくんもメダルをもらいました。
北守将軍でも、最年少のれんくんの大きな声が、目立ってたよね。
演劇は舞台の上で仕上がるとは、よく言われることであるが、今回ほど、そう感じたことはない。
毎週土曜日の夜に組んだ合同練習も、大変だったが、ブーイング年令の小6、5人が文句も言わずに、ほんとに楽しそうで、和気あいあいだった。小6と大学生が5人づついる頼もしさで、私も任せていた。でもカタストロフィがないぶん、物語が内側に食い込んで来ないもどかしさがあった。難解な言語を覚えるのに手こずって、当日午前中のリハでも言語がボロボロだった。
でも、5月のオープンパーティで入った初舞台のまーくん、4月入会のとつかくん、4年ぶりの発表のちーくんはじめ、みんな楽しそうに動いていた。馬に乗った成果か、視覚の馬がどれも激しくて、楽しかった。リンパーリンプーリンポー先生のキャラとか動きとか、今回は視覚を丁寧に作ったのがよかったと思う。
私自身28年のものがたり生活の中で初めて取り組む話だったから、仕上げる展望がまったくなかった。劇表現は、なんとかつないで、みんなの底力で仕上げたが、物語がしっくりこどもたちの肺と胃の腑に落ちているとはいえない。でも、このお話の中で考えてほしかった「生き抜くこと 治ること」そして「戦うこと」について、話し合いの中で面白い意見もたくさん出たので、それをこれからもずっと考えつづけてほしいと思う。なんとか仕上げた自分たちなりの表現が、いつも次のスタートだ。
1月13日の ものがたり文化の会 宮沢賢治人体交響劇発表会(代々木オリンピックセンター)で、ねもとパーティは『北守将軍と三人兄弟の医者』を発表した。
リハーサルでは男子の多い前田パーティのド迫力の『北守将軍』に圧倒された。(→)
まるで城壁の中でチマチマ暮らしていたフヌケな町民が、鞍もなく馬にまたがった北方騎馬民族に攻め入られたような衝撃だった。私まで発表逃げ出したくなった(笑)
リハーサル室でのあの引きつった瞬間を
体験できただけでも、発表はやるものだ。
ここから ねもとパーティ。
兵隊たちは軍歌をうたふ。
みそかの晩とついたちは 砂漠に黒い月が立つ
ところが馬を降りれない、もう将軍の両足は、しっかり馬の鞍につき、鞍はこんどは、がっしりと馬の背中にくっついて、もうどうしてもはなれない。
黄の綾を着た娘が、馬に花を食べさせて眠らせる。ちーくんの腰が なまめかしい。(笑)
「あ、馬のやつ、・・起きんかい。しつ、ふう、どう」
当日まであまり練習に来られなかったユウキちゃんもヨユーの演技。
おーさんのおたおたぶりがおかしい。
「それではお尋ねいたします。百と百とを加へると答はいくつになりますか」
「百八十ぢゃ」砂漠のために10% イカれてしまった将軍の答えは、あるくんがズッコケます。小6 3人娘で考えた計算の動き、楽しかったね。
じつにこのとき将軍は、三十年ぶりにっこりした。
人間は何%の力を出して生きているか、とたまちゃんが「気」の話をした時、「とつかは、いつも3%位しか 力出してないだろ〜!」とみんなに言われたとつかくん。パーティに入ってまだ10ヶ月初の舞台だったが、この将軍のにっこりは、
彼的には90%の改心の笑み。
舞台の上で、これが引き出せたのは、このチーム全体の力だ。
『ざしき童子のはなし』の録音でも「はしかの子」の名演技(これも初朗読)でメダルを受賞。おいしすぎだろっ!新人とつか!(笑)
なんと ねもとパーティは朗読部門で、
ダブル受賞! あんなトホホなヒドイ録音だったのに、申し訳ない。 「こんなのが ざしきぼっこです!」というれんくんもメダルをもらいました。
北守将軍でも、最年少のれんくんの大きな声が、目立ってたよね。
演劇は舞台の上で仕上がるとは、よく言われることであるが、今回ほど、そう感じたことはない。
毎週土曜日の夜に組んだ合同練習も、大変だったが、ブーイング年令の小6、5人が文句も言わずに、ほんとに楽しそうで、和気あいあいだった。小6と大学生が5人づついる頼もしさで、私も任せていた。でもカタストロフィがないぶん、物語が内側に食い込んで来ないもどかしさがあった。難解な言語を覚えるのに手こずって、当日午前中のリハでも言語がボロボロだった。
でも、5月のオープンパーティで入った初舞台のまーくん、4月入会のとつかくん、4年ぶりの発表のちーくんはじめ、みんな楽しそうに動いていた。馬に乗った成果か、視覚の馬がどれも激しくて、楽しかった。リンパーリンプーリンポー先生のキャラとか動きとか、今回は視覚を丁寧に作ったのがよかったと思う。
私自身28年のものがたり生活の中で初めて取り組む話だったから、仕上げる展望がまったくなかった。劇表現は、なんとかつないで、みんなの底力で仕上げたが、物語がしっくりこどもたちの肺と胃の腑に落ちているとはいえない。でも、このお話の中で考えてほしかった「生き抜くこと 治ること」そして「戦うこと」について、話し合いの中で面白い意見もたくさん出たので、それをこれからもずっと考えつづけてほしいと思う。なんとか仕上げた自分たちなりの表現が、いつも次のスタートだ。