ミチコ家出にいく

070429_1139~01.jpgミチコちゃんは
家出に行っている

私の大、大、大好きなカニグズバーグの
『クローディアの秘密』 (岩波少年文庫)は
クローディアと弟のジェイミーが
メトロポリタン美術館の中へ家出に行って、
ミケランジェロ作品の秘密に迫る話だが
(まだ読んでない人、読んでね!)

家出先が森ではなくて美術館とわかった時
「家出のなかでも、いちばん女みたいなやりかたで、おまけに家出にいくのが、またいちばん女みたいな・・」とクサる弟に

「家出にいく? 
家出と、にいくを、なぜくっつけるのよ。
いったいそれ、どこのことば?」
とクローディアが食いつく場面がある。






ミチコちゃんも森ではなく、京都に家出に行っている。

突発的なのか、計画的なのか、よくわからない。

長いこと勤めた小学校の先生を定年でリタイアし、
自分をリセットするために、なのか。
本当はもう1年先生を続けるはずだったのに、手違いで退職になってしまったので、
心の準備ができていなかったから、なのか。

家族を自立させるため、なのか。
自分が家族から自立するため、なのか。

色々言ってたが、どのみち、家出も2週間以上過ぎれば、
最初の理由が何であったかなんて
自分にとってもだんだん変わってくるんじゃないかな。(と想像する。家出したことないけど)

ほんとはもっと前に、何度こんな家出に行って、自分をリセットしたかったことだろう。
ある朝突然夫に先立たれ、4人の子供と残されたのだ。
何もかも放り出して、何度こんな無期限の旅に出たかったことだろう。

でも4人の子供たちと、小学校で受け持っているこどもたち支えられ、
リセットする暇もなく 突っ走ってきたのだ。
ホント、グチ一つこぼさず、泣き顔も見せず、よくがんばったね。
思うぞんぶん、家出して来い!

ミチコちゃんの家出は楽しそうだ。
毎日 桂離宮に行ったり、修学院離宮に行ったり、
鞍馬に行ったり、奈良に行ったり、
みりあむの坂本さんのコンサート
(我が家の古い友人坂本さんが奈良でやっている喫茶店。そのうち紹介します)
びっくりするほど精力的に動き回っている。

今夜は、たまごちゃんの大学時代のお友だちが立ち上げた
バザールカフェに 京都に住んでるウチの息子と 
多摩ものがたり文化の会出身で京都で陶芸の勉強をしているヒカちゃんと
一緒に行くらしい。
(バザールカフェは京都今出川。在日本外国人の自立支援のために立ち上げられたカフェ。
色々なページで紹介されているので検索してね)

私の方は、その置いてかれた子供たちの家で、パーティだ。

『さしき童子のはなし』の絵本作りの作業を手分けしてやっていると、
終わる頃 ミチコちゃんからチーの携帯に電話がかかってきた。

超ハイテンションなので、みんなに聞こえる(笑)

ミチコ 「バザールカフェ、ステキでしたよ〜!
コースケくんもヒカちゃんも、前から行きたかったんだけど、初めてだったんですって。
2人ともすっごい気に入ってた。
たまごちゃんのお友だちのAさんにも会えるように、
あらかじめ電話でアポ取ってたんだけど、急に用事が入ってしまってと連絡いただいて、
会えなかったの。
料理も安いし、留学生とかアーティストとか集まる場所らしい。

もうコースケくんの話がおもしろくておもしろくて、ヒカちゃんと夢中になって聞いちゃった♪」

私   「そう、それはよかったねえ・・・」

ミチコ 「そういえば、私、コースケくんとこんなに話したこと初めてかも!
偶然吉本新喜劇を見た日のことを、身振り手振りで話してくれてね、
おもしろいおもしろい! アハハハハ (高笑い) ヒカちゃんともう爆笑しちゃった!」
(初めてのデートの報告を友だちにする女子高生のようだ 笑)

いや〜、楽しそうでよかった。
メンツも異色な組み合わせだし、京都に新しいパーティ誕生だ!
(ミチコちゃんは何度も京都までコースケのやっている芝居を見に行ってくれているし、
ヒカちゃんとえりこを赤城の陶芸家の家に連れて行ったりして、
既にテューターやっているようなもんだ。)

私   「いや〜、楽しそうだね、おかあさん」
えりこ 「楽しそうなのはいいよ、楽しんで来てよ。
でもね。いちいちこっちに頼んで来るのよ。
私たち、今新学期で、授業の時間割どうしようとか、すっごい大変なの!

 それなのに「ねえ京都寒いからセーター送って〜」とか
「靴下送って〜。厚手のやつ」とか。 そっちで買えよってハナシでしょ!」

いつもの超早口でまくしたてる。

ちー  「そう。第2外国語、韓国語にしたか、とかいちいちウルサイ」
えりこ 「韓国のこと勉強したいなら自分でやれよ!ってハナシだよね」

私   「アハハ、家出したんだから、未練がましく留守宅の遠隔操作はやめろってことだよね 笑」
        (私もよくやる 懺悔)

まあ、わかってるよ。

君たちが「おかあさん、行っておいでよ」って送りだしてあげたんだよね。

小学校のこどもたちと離れるのが淋しくて、
泣く泣くやっていた教室の整理も、毎日チーが一緒に行って手伝ってあげたんだよね。
ミチコちゃんが一番しんどい時をよく支えたよ、君たちは。

50、60のおばんの暴走はコワイ。

ダンナやパーティを置いて、単身北海道にパーティ開拓に行ってしまったユウコちゃんとか、
ダンナにパン作り任せて、パーティも他の人にたのんで
サトウキビ刈りに沖縄行っちゃったジュンコちゃんとか、
テューターにもいるなぁ。そういう暴走型(笑)

まあ、50,60のおばんの突発的暴走は、家族には迷惑なハナシだが、
今まで365日ごはん作ってもらってたんだし、迷惑はお互いさま。

一応本人的には
「わたくし的必然」につき動かされてるので
みんな許して!(笑) 

 家族もいろんな形で進化しなくちゃ!

| 明滅 | 17:07 | comments(5) | trackbacks(0) |

ねこの事務所

堤紫歩さんからのお知らせです。
 
  音楽劇団 紫人会第2回公演
  音楽劇『ねこの事務所』宮沢賢治原作 紫歩 脚本・演出・振付

5月5日(土) 1回目 11:30開演 2回目 14:30開演
5月6日(日) 1回目 11:30開演 2回目 14:30開演


会場  アートフォーラムあざみ野レクチャールーム
東急田園都市線 横浜市営地下鉄「あざみ野駅」下車徒歩3分
  チケット 普通席 大人2000円 小人1000円
       桟敷席 大人1800円 小人 700円

詳しくはホームページで http://homepage2.nifty.com/office-balloon-sakai


堤紫歩(つつみしほ)さんは、オペラシアターこんにゃく座で活躍後、イギリスに留学。現在はフリーで振り付けやダンス教室を主宰。取手ものがたり文化の会で、毎年動きの指導、アドバイスをお願いしていたご縁で、うちのパーティにも2回来ていただきました。昨年、音楽劇団 紫人会を立ち上げ、紫歩さんオリジナルの脚本で音楽劇を上演します。今回は宮沢賢治に初挑戦。うたって踊るかま猫に会えるかも♪

連休最後のお楽しみに親子でいかがですか。6日14時の普通席は完売だそうです。
| おばんのゴリ押し 演劇 | 21:27 | comments(0) | trackbacks(0) |

アートアワード・トーキョーはじまる

ご近所のヤッチャン(アーティスト渡辺泰子さん)からのお知らせです。


ART AWARD TOKYO
 期日  4月27日(金)〜 5月27日(日)
 会場  東京駅新丸ビル 行幸地下ギャラリー
 時間  11:00→20:00 ※入場無料

オープニングレセプション:4月27日(金)19:00〜(丸ビル1F Marunouchi Cafe ease)
アワード公開審査:5月6日(日)15:00〜(展示会場にて)


このたび4月27日より5月27日まで、東京駅前の新丸ビル完成にともない新設されます行幸通り地下通路ギャラリーにて、日本を代表する主要な美術大学卒業制作をコアとした新人ショーケース、『アートアワードトーキョー』がスタートします!(HPより)
 
詳しくはホームページで
http://www.artawardtokyo.jp/home/index.php


ARTISTページで東京芸大、武蔵美大、京都造形大等 出品作家の作品が写真で紹介されています。
ヤッチャンは最後の渡辺泰子さん(武蔵野美術大学院卒) 
武蔵美の卒業制作展では、大学でも大学院でも優秀作品に選ばれました。
ビテチョー(美術手帖)でも紹介される今注目の新進アーティストです。
みなさん、注目してね!

ヤッチャンはウチの息子の同級生で、娘たちとも小さな時から遊んでいる幼なじみ。
娘が芸術学科を受験する時はデッサンの指導もしてもらったし、パーティの行事でもゴローやミッチーの従姉妹として(?)イヤおばんのゴリ押しで(?)来てもらってます。
で、でも、まさかウチみたいな 「うしろ指さされ組」になるとは! 
美術、演劇、文学、音楽、etc すべて日本において、文化芸術を志すものは「うしろ指さされ組」の苦渋を永く味わわなければなりません。
しかしヤッチャンは、私の予想よりしぶとく粘っている!(笑)ので応援しています。
この世界は、しぶとさと粘りが勝負!です。

今回は映像作品で、発想と音がユニーク。私も卒業制作展で見ましたが、これを制作しているヤッチャンのメーキング・ビデオが見たいものです。(笑)ビックリしますよ!
他に砂による造形や、カラフルなフェルトによる造形で、
世界と自分の境界、「へり」に興味があるみたいで、ヘリ好きの私(文化は境界から生まれる説)の注目するところです。また彼女が個展をやる時にゆっくり紹介しますね。

東京駅新丸の内は、今一番新しい話題のスポットです。
連休で東京におでかけの際には是非足を伸ばしてください。
見てきた方、感想書き込みしてね〜♪
| おばんのごり押し アート | 07:40 | comments(4) | trackbacks(0) |

オープン・パーティ楽しかったよぉ〜♪(報告その2)

070426_1410~01.jpgさてこどもたちも4家族10人来てくれた!(ワ〜イ♪)ので オープン・パーティ 本チャンと思いきやその前に、丸くなって座って 「魚(ギョ)鳥(チョウ)木(モク)申すか、申さんか」で遊ぶ。
これは、オニが指定した種類の名前を言えるかどうかのぶったたきゲームだが、3才のれんくんがオニになった時「じゃぁね、デンシャ!」と一気にレベルアップを図ったものだから(笑 遊びは進化する!)答える側が詰まって、あまり盛り上がったとは言えず。(汗)
 
気をあらためて『ざしき童子のはなし』1話めを語る。
私   「ざしきぼっこってどんなの?」  みんな 「・・・・・・?」
アル  「じゃあ、いけんがある人は手をあげて言ってください」
         オイオイ、あるくん(小2)が仕切ってるよ!ビックリだぁ!
タイチ「みえない」  私「そう、見えないのね。でも?」
タクミ「ざわっ、ざわって」 私「そう、音がきこえたんだよね。なんの音?」
タクミ「ほうき!」 私「じゃあ、みんなでざしきぼっこ動いてみよう!みんな立って!」

ゲキにするのは、自分じゃないものにヘンシンすることだからね。まずは準備体操するよ〜。
まずは右肩から、ヘンシン体操クニャラクニャラ♪ 
次は左 クニャラクニャラ♪
いや〜みんないい動きしてるなぁ(笑)

 じゃあ、最初は ほうきに ヘンシ〜ンッ! 
 たっくんのほうき すばらしい!

「あれ? キョウコちゃん、固まってるよ」
「イ、イヤ。ほうきはちょっと・・・現実的に行きましょうよ。」 さすが小6女子。
「キョウコちゃん、人間超えられない壁はないよ」
「イ、イエ、ムリです・・・」
でもキョウコちゃんはチラシをお友だちからもらって、たった一人で来てくれたんだよ。すでに壁超えてると思うけど?(笑)

次は何にヘンシンする?
あるくん「ひっそりした刀の箱」(文章に出てくる)  
うわ、マニアック!

じゃぁ、「ひっそりした刀の箱」に ヘンシ〜ン!

なかなか ひっそりしてるね〜! いきなりこんな高度なヘンシンできて、みんなすごいなぁ!(笑) 

私「こどもが2人でお留守番してたんだけどね、ざしきぼっこはこのこどもたちに何をしたいんだと思う?」あるくん「イタズラしたい」  私「なるほどね、イタズラしたい」
タクミ「こわがらせたい」
キョウコ「でも今、朝ドラでやってる『どんど晴れ』では、ざしきぼっこはその家の守り神なんだって」
私「そう!さすが6年生! いいこと言ってくれるね〜。4つめのお話に書いてあるけど、ざしきぼっこがいる家はいいことがあって、ざしきぼっこがヨソの家にうつると、その家が病気になったりビンボーになったり悪いことがおこるんだって。」 マリコちゃんチームとカナちゃんチームにわかれて、ざしきぼっこがどんなのか相談して発表する。後ろにいるんだけど、振り返るといないざしきぼっこ。楽しく動けたね!

最後にみんなで、絵をかきました。ざしきぼっこってどんなのかなぁ。みんな、のびのび何枚もかきました。
秋の文化祭に展示できたらいいな。

来てくれたおともだち、おかあさん、ありがとうございました。
楽しくおはなしたんけんできましたか?
次回5月9日もお楽しみに!
 
| がやがやがやがや | 21:07 | comments(0) | trackbacks(0) |

オープン・パーティ  楽しかったよぉ♪♪ (報告その1)

わがパーティ 初のオープン・パーティ。
チラシ配りはしたものの、いったい何人来てくれるやら・・・
ムムム本当にだれも来てくれなかったらどーしよう(涙)
どたんばになってかなり不安になる私に、我が家のカナちゃん「そしたら、わぁ、今日はざしきぼっこ(姿が目に見えない)がたくさん来てくれたね〜♪ て言えばいいじゃん♪」といつもの あの呑気な声で言うので、ホント気がラクになった。(さすが一家に1人カナちゃん欲しいとママさんたちに囁かれる癒し系キャラ 笑)しかも明日役場の手続きでたまたま仕事の休みを取ってたカナが、自分の用事をすべて午前中に済ませて、来てくれるって!助かった!

しかし天はまたしても雨!(怒)なぜか私はハンパない雨女なのだ。(泣)
『月夜のでんしんばしら』でお父さんたちに車3台も出してもらって真岡にSL乗りに行った日も、去年14年目にして初めて地元のホールで発表会した日も、めったに大イベント組まない私に、ナゼこの天気?!というほどのドシャ降りだった。(嘆)

歯ぎしりしながら、ざしきぼっこだけでなく、ほんまぼっこも来てほしい!と朝になってからマリコちゃんに「あるくんれんくんの友だち、こどもだけでもよいから来てと電話して!」とゴリ押し。(マリコちゃんゴメン ストレス大きかったね。おかあさんたちスミマセン。ゴリ押ししたのは私です)


でもね、でもね、来てくれたのですよ! ほんまぼっこが10人も。バンザ〜イ!!

みんなが集まるまでは新聞紙で刀を作って、チャンバラごっこ。 しっかし、これが予想以上にヒートアップ!
剣道初段の私(Q. 33年前に取った初段って今でも有効か?)をしても、3人の刺客に後ろからメッタ打ちされて、青アザできるような痛さ(涙)

ムム うしろから襲うとはひきょうな!
チビだと思って甘く見た。おのれ〜!

「だから新聞紙はキケンだって言ったじゃん(笑)」というカナに「イヤ、チャンバラやらずして何がこどもだ!」とは言ったものの(ゼーゼー)

いや〜 大学生も小学生も来られない平日の昼間に、たまたま立ち寄ったら会場開いてたからって、考えもせずにオープン・パーティ設定した私がバカでした(汗)
いつもヤラレ役に呼んでたナガヤマンやコウちゃん(よそのパーティのお兄さん)のありがたみを身を以て知る。ナガヤマン〜!次の5月9日仕事休んで来て!
もと剣道部のケイコ ユウコ 大学と仕事休んで助けてくれ〜!!ゼーゼー

070426_1814~01.jpg 

なんだって最後にはこんな刀も作った大物(小4)出現!
とても50過ぎたおばん一人じゃ太刀打ちできないよ!

あ、でも、おかあさんおとうさん、
ものがたり文化の会はチャンバラをやるところではありません。
ふだんのパーティでもやってません。こどもたちの心身の健全な育成を願っています。おまちがえないように。

オイっ、これオープン・パーティの報告じゃないの?
まだ、オープンしてないじゃない!
ス、スミマセン(汗)
でも長くなると若い方々に敬遠されちゃうので、ひとまずアップ。

え〜、どうなるパーティ?
報告 その2に続くぅ〜ッ! 




| がやがやがやがや | 07:17 | comments(4) | trackbacks(0) |

ものがたり文化の会 おはなしたんけん隊

宮沢賢治童話『ざしき童子(ぼっこ)のはなし』で遊ぼう!
オープン・パーティ(無料体験クラス)を開催します。
親子でお気軽に参加してください。我孫子市布佐にて

4/25 (水)3:30〜 5:00 ざしきぼっこってどんなのかな?
5/9(水)3:30〜 5:00 ざしきぼっこ いるかな?
5/23(水)3:00〜 5:00 ざしきぼっこになって動こう!

                   主催 ものがたり文化の会 ねもとパーティ
              お問い合わせは ものがたり文化の会へ 03-5379-1317            



070420_2151~01.jpg
ぼくらの方のざしき童子のはなしです。

 あかるいひるま、みんなが山へはたらきに出て、こどもがふたり、庭であそんで居りました。大きな家にたれも居ませんでしたから、そこらはしんとしています。
 ところが家の、どこかのざしきで、ざわっざわっと箒の音がしたのです。
 ふたりのこどもは、おたがい肩にしっかりと手を組みあって、こっそり行ってみましたが、どのざしきにもたれも居ず、刀の箱もひっそりとして、かきねの檜が、いよいよ青く見えるきり、たれもどこにも居ませんでした。
 ざわっざわっと箒の音がきこえます。
 とおくの百舌の声なのか、北上川の瀬の音か、どこかで豆を箕にかけるのか、ふたりでいろいろ考えながら、だまって聴いてみましたが、やっぱりどれでもないようでした。
 たしかにどこかで、ざわっざわっと箒の音がきこえたのです。も一どこっそり、ざしきをのぞいてみましたが、どのざしきにもたれも居ず、ただお日さまの光ばかり、そこらいちめん、あかるく降って居りました。
 こんなのがざしき童子です。         宮沢賢治『ざしき童子のはなし』より     

 

| がやがやがやがや | 22:29 | comments(4) | trackbacks(0) |

十代

SN390039_0001_0001.jpgものがたり文化の会の機関誌は『十代』という隔月刊行の小冊子だ。


なぜ『十代』か。
ものがたり文化の会は十代の少年少女に向き合う
大人の営みとして 始まった。


少し長いが 私も起草に関わったので、次の文を読んでください。


ものがたり文化の会にあなたの力を

「自分はいったい何者だろう」・・・十代の少年少女たちの焼けつくような疑問にまっすぐ向き合うおとなの集団の営みをはじめようと、故谷川雁さん、根本順吉さん、故定村忠士さんらの呼びかけで「十代の会」が設立され、雑誌「十代」が発刊されたのは1981年。翌1982年に宮沢賢治の童話の世界で、おとなと少年少女が向き合って遊ぼうと<ものがたり文化の会>が活動をはじめました。

 十代の会設立趣意書に「広く今日の十代をみるとき、社会全体が直面しているさまざまな問題があります。毎日のように新聞紙面に登場する中学生の暴力行為、家出などの背後には、まだ充分な形をとりえない十代の大きな欲求が横たわっていることを思わざるをえません。これらは、おとなの側がみずからの在り方を賭した何らかの実際の行動によって応えなければならないことを物語っています。同時に、ことを一挙に解決する道はどこにもなく 十代に対して一片の志をもつ者同士が具体的に語り合い力をよせあう小さな集まりから、一歩一歩、おとなとこどもの輪を広げていく以外にないことは明らかです。」とある谷川雁さんの言葉は 20年以上経った現在も、なお一層の切迫感をもって私たちに迫ります。

 ものがたり文化の会は、テューターとこどもたちで作るパーティというグループごとに宮沢賢治童話の人体交響劇を日常の活動にしています。賢治がさまざまな生命に語らせているものがたりは、人間中心の世界の滑稽さ、宇宙や生命の循環の偉大さをいつも教えてくれます。宮沢賢治の人体交響劇をやることと、こどもたちが自分を発見し、困難を乗り越えて協働で実現していく力を身につけていくことのつながりを、私たちはなかなかうまく説明することができません。けれどもこの活動で育った若者たちが社会に出てもなお、休暇をとって合宿や発表会に参加し、より年下のこどもたちのために心をくだいているのを見ると、他には得難い何かが この活動にはあると確信します。「自らの在り方を賭し」て 十代の少年少女と向き合おうとする次の世代が育ちつつあるのは、私たちの何よりの喜びです。

 宮沢賢治の理解という点でも、地域の文化活動としても、私たちはいつも試行錯誤でやっています。どうぞあなたの力をものがたり文化の会に貸してください。お近くのパーティにぜひおでかけください。パーティ主催の行事(発表会、キャンプ、野外活動、体験活動、読書会、コーラスなど)に参加してみてください。
子育て真っ最中のお母さん、お父さん、こどもたちと一緒に人体交響劇で動いてみませんか。私たちは いつも新しいパーティ 新しいテューターの誕生を願っています。すでに子育てが一段落した方だったら、ぜひあなたの専門のお話、あなたが関心をお持ちの話をこどもたちにしてください。あなたの投げかけを受け止めるこどもたちから、あなた自身もきっと感じるものがあるはずです。

カルチャーセンターや生涯教育が盛んです。非日常の世界で心身を遊ばせることが本当に上手になりました。それなのに、なぜ、みんなが生き生きと豊かになった感じがしないのでしょう。老年は老年で、熟年は熟年で、青年は青年で、こどもはこどもで孤立し、それぞれの非日常に閉じこもっているような気がしてなりません。大いなる循環を感じられないのです。

ものがたり文化の会で、身近なところから一歩一歩 おとなとこどもの回路を作っていきませんか。
                         
                   ものがたり文化の会テユーター一同
| 明滅 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) |

宮下博行 ジャズ・ピアノ・トリオ ライブ

3月19日に紹介したジャズ・ベーシスト佐藤有介とトリオを組む
ジャズ・ピアニスト宮下博行さんからのお知らせです。
神戸西ノ宮から3ヶ月ぶりに上京しての3夜連続ライブ♪ ぜひおでかけください。

 Hiroyuki Miyashita ”TokyoTRIO ”Liveー 3Days  

☆4/23(月) Pm8:00〜 高田馬場 SUNNY SIDE
       http://www.sunny-side.jp/ 
      (JR高田馬場駅徒歩8分馬場口交差点角) 03-5272-6119

☆4/24(火)Pm7:30〜菊川 なあーじゅ
       http://www.d1.dion.ne.jp/~nage/ 
      (都営新宿線菊川駅下車5分) 03-3635-8366

☆4/25(水)Pm8:00〜池袋 ホットペッパー
       http://www.qurie.ne.jp/hotpepper/
      (池袋西口から5分)03-3971-8669

  今回も各日とも内容をいろいろ変えてお送りしょうと思っています。
  オリジナル&ヨ-ロピアンjazz アーチスト達のオリジナル中心の美しいライブです。
  たくさんのお越しを心よりお待ちしております。

<”Tokyo Trio”メンバー>
宮下 博行(ピアノ) 佐藤 有介(ベース) 嘉本 信一郎(ドラムス)
<HP> 
 http://www.ne.jp/asahi/hiro/sound/ 


070416_1330~02.jpg
1月のライブの時買った、宮下さんオリジナル曲のみのCD
" the flow of time" 落ち着いた曲が多くて、とてもよいです。
家族の買い物の誘いを断って、一人でまったりしたい日曜の夕方におススメ♪
私のお気に入りは ラストの "I want to love somehow"

 
| おばんのゴリ押し 音楽 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) |

ディア・ピョンヤン

前の宿題のつづき。
どうして『火山島』を読み始めたの?とアヤカに聞いたら、メールが返ってきたので、
そのまま貼り付けます。

んっとね、ヤン・ヨンヒ監督の映画『ディア・ピョンヤン』を見たのはただの偶然なんだよ。

『ディア・ピョンヤン』は、ダンスユニット○が「声を上げよう女の会」で踊るから見に行った時 第2部で上映されたの。お腹痛かったし帰ろうかなとも思ったんだけど、なんか帰っちゃいけない気がしてさ。
まぁその感は当たってたんだけど。

それで本格的に在日朝鮮人、在日韓国人について知りたいって思って、お父さんに言ったら、
それなら金石範の『火山島』を読んだ方がいいって薦められたの。
彼の本は、在日の作家の中でもいいからって。

映画を観るまでは、…なんていうのかな、高校の倫理の授業で在日とか被差別とかの勉強をしたいっていう思いだけだったんだけど、映画を見て、いかに自分が北朝鮮のことを知らなさすぎ、偏ったイメージしかもってないことを知ったのよ。ショックだったのね。

マスコミが北朝鮮をおどろおどろしく放送してるのに嫌悪感を抱いてたのに、自分はその色に染まってるわけで。だからかな。ほんとに朝鮮半島で何が起こったのか、日本は何をしたのか知りたくなったのは。
古代、日本は朝鮮から色々な技術を学んだじゃない。なのに、占領したりしてた。秀吉のころは朝鮮出兵もしたしね。それに欧米に追いつこうとし始めたら、下に見るようになってきたじゃない。どうしてそういう風になったのか、今の私には知らなさすぎなんだよ。
隣国のことだから、よその国のことだからでは済まされないと思うんだ。
だから学びたいって思った。知りたいって思った。無視しちゃいけない問題だと思うんだ。

う〜ん話がまとまってないねぇ。
でもね、全ては『ディア・ピョンヤン』の映画を観てからなんだよ。
映像として突きつけられたから、リアルだったの。
映画としてはまだまだなところもあるかもしれないけどさ、私は評論家じゃないし、ここまで思えて動かせる力があの映画にはあるんだと思う。
だからあの予感を信じて帰らなくてよかったって今は想うよ。
戦争反対の会なのに、違うほうに関心がむいてちょっとおかしいよね(笑)
| 明滅 | 15:00 | comments(1) | trackbacks(0) |

宿題

晴れて女子高生から女子大生になった我が家の末娘は、性に合わない受験勉強から解放されて、コンテンポラリー・ダンス、ジャズ・ダンス、アフリカン・ダンス、芝居と精力的にレッスンに参加し、ハングリーに動き回っていた。それぞれ先輩やテューターが自分の先生を紹介してくれて、強烈な先生方との出会いに嬉々として帰ってくる。もともとダンスカンパニー・コンドルズの熱烈な追っかけで、高2の時、近藤良平の講演会を聞きに行って、彼のいたダンス部のある大学を受験したい!と進路を決めたくらいだ。自分の興味と行動力と出会いがおもしろいように次々繋がって行く、あのゾクゾクするような感じを味わっているのだろう。そういう意味では、傍で見ていても楽しい、いまどき幸運なタイプの高校生だったと言える。

大学の入学式の前日、在日本韓国YMCAで行われたチャングの体験講座に参加して、絶対やりたい!と昂奮して帰ってきた。
070405_1051~0001.jpgチャングは朝鮮半島の伝統楽器、真ん中がくびれている太鼓で、あぐらをかいて膝でチャングを固定し、両面に張られた皮をばちでたたき演奏する。和太鼓よりも乾いた音がする。

3月に高校の同級生きょんみさんがカヤグム(伽耶琴)を弾くとたまごちゃんから聞いて、私のかつての韓国語の先生であるヨンスンとパーティのお母さんミチコちゃんを誘って、韓国伝統文化教室の発表会を見に行った。
きょんみさんからは、度々案内を送ってもらっていたのに、こうした催しに足を運ぶのも実に20数年ぶりだった。

カヤグムを抱えて舞台に出てくる時の、色あざやかなチマの衣ずれの音。カヤグムの音、チャングの乾いた響き、踊っている時だけが私よ!といわんばかりのあでやかなチマ・パラム(チマの風)ひさしぶりだなぁ。好きだ。

後日きょんみさんからYMCAでは色々な講座をやっているので、興味のありそうな方に紹介してくださいとメールが届いたが、その時には既に私宛に郵送されてきた体験講座の案内を見て、娘はさっさとチャングの体験申し込みを済ませていたようである。http://www.ymcajapan.org/ayc/jp/

娘はもともと太鼓好き。パーティで『鹿踊りのはじまり』をやった時も、岩手花巻農学校の生徒さんが見せてくれた頭と踵をくるっと回す動きのキレが大好きで、鹿踊りの足さばき、頭の振りを夢中で覚えていた。遠い船橋の高校を選んだのも、そこの演劇部の御神楽舞と和太鼓の迫力ある演技を学校見学会で見たからだ。

でも韓国や朝鮮の文化に興味があったとは・・・なんだか驚きだった。彼女の中で、朝鮮や韓国が、どんなふうにテーマになっているのだろうか。


そういえば、うちのパーティのワンデイキャンプに娘が呼んで踊ってもらったダンスユニット○(まる)が出演する集会に行ったら、そこでヤン・ヨンヒ監督の『ディア・ピョンヤン』という映画を見て感動したという。
すごく昂奮して帰ってきた。(すぐ感動して、すぐ昂奮するのは、誰かにそっくりだ)
それから、お彼岸に、祖父の雪崩れた本棚から 金石範の『火山島』を借りてきて読んでいる。

『火山島』の舞台、済州島は、私の友人ヨンスンのオモニ(お母さん)の故郷で、私たちはヨンスンにハングル(韓国語)を習った仲間たちで、1978年に済州島と韓国を訪れ、『セットンカラーは旅の色』という報告記も出した。(近いうちに書くね)ふーむ、だから、なんだか不思議な巡り合わせだなぁ。と思った。

最近私は、大事な人やものには、二度出会うのことになっているのだなと感じている。
私自身、今まで出会った人と、出会った意味や出会ったことでもらった宿題を、自分なりに解いていこうと思っているが、すでに半世紀も過ぎてしまった残りの人生で、このたくさんの宿題が解けるのかどうか、
うたがわしい。でも最近、宿題は親子二代で解くのだろうか、と思うことがある。私が追いかけていたテーマを、何も話していないのに、こどもが追っているからである。去年の夏、息子の演劇ユニットが上演した芝居『みんなボブ』を観た時も、「時代と歌」という、私がずっと追ってきたテーマがそこにある気がして、不思議な気がした。宿題はDNAに刷り込まれるのだろうか?

まあ、ささやかな符合に過剰に期待するのはおばんの習性で、若者には迷惑な話だろうから(私もそうやって何度も大人を裏切ってきたのだろうし)私も、このブログで、少し自分を追い込んで、自分の宿題を解いていこうと考えている。このネットを、もう3年早くつなぎたかったな。と思いつつ・・・

| 明滅 | 13:06 | comments(0) | trackbacks(0) |

04
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--
Profile
New entries
Archives
Categories
Recent comment
Recent trackback
2007年3月からのアクセス
無料WEBツール広告
長崎 幻の響写真館 井手傳次郎と八人兄妹物語
古谷田奈月 『リリース』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4334911285/ref=as_li_tl?ie=UTF8&tag=kankarakan073-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4334911285&linkId=2098c47a9d1072b98a8256c8979ceadb
古谷田奈月 『ジュンのための6つの小曲』

鈴木道子
Sweet & Bitter
Mobile
qrcode
Links
Others
無料ブログ作成サービス JUGEM