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日本海 鳥瞰図


3時15分 飛行機は 小松空港を 飛び発った。

小松空港・・・ その名前を 見た時から 来たかった。
父の 最後のフライトの 風景を 見たかった。

SN390230_0002.JPG
 
幾重にも 低い山が連なる。  その前に 自衛隊の 格納庫が 並ぶ。
ながい滑走路・・・・・

え? こんな小さな飛行機? 
しかも 歩いて乗るの?     カサブランカみたいだなぁ・・・(笑)
 
ガタガタガタガタ・・・・
離陸する瞬間 うわ 神様!・・・・ 足を ぎゅーーと突っ張って 力を入れてしまう。

ブレーキを踏んで どうする。 ここは 加速だろう。(笑)
けっ いつも 揚力揚力と 吠えてるくせに なんてざまだ。  弱虫。

心臓横8センチに肥大した動脈瘤が よく この気圧の変化で 破裂しなかったものだ。
 

無事に 雲の上に出ると 機体は安定した。  うわ 雲!
集雲   この名前のついた建物が出てくる話を 読んだばかりだ。 

カメラない? 昂奮して 前の座席の連れを 叩く。  ランプ消えなきゃ 取れないよ。

55年の人生で まだ 飛行機に 6回しか乗ったことがない。
だから・・・というわけではないが 飛行機で 窓側に座ると 異常に昂奮して 
バチバチ 写真を撮ってしまう。

帰って見ると それは ただの 翼と 雲の写真で(笑)
その枚数の多さだけが 昂奮の度合いを 伝える。

鳥瞰 ・・・・・・・飛ぶ鳥の目になって 地形を見るのが 好きなのだ。
サン・テグジュペリの 飛行記録『人間の土地』を 愛読していたせいだろうか。

え? 雲の 切れ間に 海岸線が見える。













まったく 予想してなかったが 
飛行機は ずっと 
海岸線と平行に 走っていた。


あれ? 海岸線が 飛行機の下を 曲がっている。
半島・・・・・か?  わ もしかして 能登? テンションあがる。


















死ぬ前日に こんな風景 見たのだろうか。
もともと 外界を 見てるんだか 見てないんだか、
あまり 風景に 見入るような 感じの男じゃなかったしなぁ・・・・

前の週に 入院させたくて 病院に連れて行った。
あの 呼吸困難な 新宿駅西口地下広場タクシー乗り場から 小田急線改札まで
歩くのに 30分くらいかかった ひどい喘鳴状態で  
それでも独りで 彼を 福井に 駆り立てたものは なんだったのか。
 
 雪を いただく かすかな 白い山並み 
                    あれが 立山 北アルプス?



やっと 海を離れ 山の上を 飛ぶ。 富山あたりで 右折したのだろうか。
 雪が 少ない。 長野の スキー場 商売たたない・・・・ 遠くに 富士山が 見える。


なんかね、留学でも移住でもいいんですけど 僕なんかね
どんどん人は動いた方がいいて思うんですよ。
行って見て帰ってくる。あるいは帰ってこない。

動いたことが悲劇だと思ってたら ずっとなんていうか
恨みを晴らすために生きてるみたいな感じになるじぁないですか。

でも日本語でいうと ええと、「愛憎」? 好きだけど嫌い、嫌いだけどでも好き・・・・
ツンデレ?・・・・ツンデレとは違うか。あーすみません関係なかったです。

そのね、故郷って、必ずしも 好きじゃないですよ。
でも、濃いじゃないですか。 良くも悪くも、そこで育っちゃったんですよ。
そういう・・・。あ、いま差し紙が来ました。えー、ああ、「恩讐」だそうです。
おお、この字面、迫力あるなあ!

うん、そう、そういう故郷への濃ーい思いっていうのを身のうちにずっとためたまま生きていくのって
なんかいいなあって思います。

                                 高野竜 アラル海鳥瞰図 馬倒了の独白より
 
  ※馬倒了(マータオラ)は 中国吉林省長春出身だが沿海州に住んでいた回族(ハオ)族の末裔で
   今は群馬コミュニティFMのパーソナリティ、という設定。






















 
日本海・・・・・・・
いつも この響きに 駆り立てられる。

人が人を 呼ぶ。
地名が 想いを 駆り立てる。
風景が 浸みてくる。 今まで 見て来た風景を 投影させる。

そうして 人の 想いの流れが 腑に落ちる。  磁場は 人が 作るのだ。

おお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い !!

















アジアの芝居には人間が出てこないんだ。
ゾクっとしました。 え?なんていいました?

演劇には機能てもんがあるんだよ。
生きた人間同士の関係のもつれとか 神々との契約とか あるいは冒険とか 労働争議とか
演劇には主題てものがある。
アジアの演劇のテーマは その意味でいうと それらのどれでもない。 
なんだと思う?

分かりません。
いや分かってたのかも知れない。 ぼんやりとは分かってた。
でも言葉にならなかった。分かりません。

つまり鎮魂だよ。 
                ああそうか ほろびた人々の思いを画面に乗せてたのか。

                               高野竜作『アラル海鳥瞰図』 高良愛の独白より 
    
 ※高良愛 はアニメ好き。 コリア系の ロシアアニメーション作家セルゲイ・パクが 彼の故郷
ウズベキスタンの涸れかけてきたアラル海のほとりの砂漠で羊を飼っている人たちと
新しくできた鉱山に出稼ぎで来てる外国人との、両者がどう喧嘩してどう折り合っていくのかを 
アニメ・ドキュメンタリー? で描いた 作品について 語る。


 高野竜 『アラル海鳥瞰図』の 戯曲は 宇野重吉演劇祭 ブログから 読むことが できます。 
観たけど ややこしくて わからんかった方 再読できます。
                               http://www.value-up.jp/wordpress/?p=51

  

                           





| 明滅 | 12:24 | comments(5) | trackbacks(1) |
Comment
一日眺めても飽きないのが日本海だった。姉が香住高校(兵庫県)に赴任していて、 春や夏休みなどに連れていってくれぼんやり海をみてすごした。でも能登のあたりはまだ!!
一郎氏鎮魂の旅でもあったのですね、、「アラル海鳥瞰図」読まなくっちゃ(難しそうなのでゆっくりと)
2010/12/07 8:52 AM, from やまねこ
北海道のやまねこさん、『アラル海鳥瞰図』ぜひ読んでください。野田秀樹の『赤鬼』みたいに、アジアの演劇祭でアジアの俳優たちとやって欲しいなぁ。誰かプロデュースしろ。坂手洋二さんに読んでもらいたい!

私すごい宗教民俗学フェチだけど、鎮魂ってあんまり好きじゃない。
死んだ人にこそ吠えてもらわないと
思想の継承にならんでしょう。(笑)いつも次世代の脳内スイッチ点火の火種にならんと願うよ。
2010/12/07 12:01 PM, from かんからかん
遠いところ、ご来場ありがとうございました!
届け!届け!と声を出して、公演終わって喉がガラガラに(笑

とても有意義な時間でした。
今は抜け殻のようです。

友香
2010/12/07 1:33 PM, from ロビン!
ロビンさん、お疲れさまでした。
昨日はロビンさんのブログロビンの素敵な日々を家族で拝見してたんですよ。練習風景などの様子がよくわかりました。演劇経験者のロビンさんでも抜け殻になる、濃厚な時間、幸福なチームだったみたいですね。
福井よいとこだねぇ。みんなとても
気に入りましたよ。永平寺行けなかったからまた行きたい!
2010/12/07 5:55 PM, from かんからかん
ぐあ。弱音、結構吐いてましたよねぇ・・・or2 >ブログ

はい。濃厚な時間、幸福なチームでした。
今でも、朝起きると台詞を反芻してしまうほど体に染みてしまって。
次の台本を中々開けないでいます。

はい!福井、とってもいい所です。
永平寺も、大きな木の下にいるだけで圧倒されます。
またぜひ!
2010/12/10 8:48 AM, from ロビン!









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2010/12/06 8:11 PM, from 海外留学について

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