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さよならの向こう側

 今日 ママンが死んだ。 
 あるいは 昨日かもしれない。
 僕には わからない。   
                                      アルベール・カミュ『異邦人』

Je ne sais pas・・・・・ je ne sais pas・・・・・
 
なんだか 毎日 異邦人の 冒頭のフレーズが ぐるぐる頭を めぐっている。
皮膚がちりちり焦げるような いつ終わるともしれぬ この暑さのせいだ。
太陽が まぶしすぎる。

クッソー なんて 8月だ!  しかも また 8月だ!

ねもとパーティの生みの親、 私の片肺 ミチコちゃんが また家出にでかけた。
今度は長い。 遠い。 帰ってこない。 

ねもとパーティで お父さんお母さんを 失うのは 3人目だ。
50 才 37才 63才 みんな 8月に失った。

なぜ? どうして? 8月の太陽のせい?

戸隠の合宿から帰って 
ひかちゃんと ミチコちゃんに会いに行ったのは 月曜日だ。

私 気が弱いから こういう時は強気に出なきゃって 合宿に誘ったんだけど
心配でくじけちゃうよ〜と 言う私に
「だいじょうぶ、 戸隠はきっと行けるよ 」と メールくれたのが 最後のメール。
終わるのを 待っててくれたんだね。 

初日に トイレに立てこもったトッシィや 熱出して倒れたリューキの
合宿での 活躍と昂奮を 報告したかった。
小5の この夏にしか 出逢えないものに きっと出逢ってくれたはず。
アヤカもリーダーで 体当たりで がんばったよ。

京都で 陶芸やってて いつも ご馳走してくれてた ひかちゃんにも
「自信を持って 自分の好きなことを 続けてね」と ゆっくり 言っていた。

真昼のまるい月と 赤い夕陽が ミチコが好きだった
今井の桜並木の 黄金色の 田んぼをはさんで  にらみあってる中を 帰った。

夜の病院に 駆けつけたのが いつだったのか
運んでくれた業者が おだんごや 玄米ご飯を炊かせて
知らない儀式の レールに すでに 載せられていた。

夜中のマックで ちーくんと エビフィレオや コーラを買って
ミチコちゃんが いなくなったら 急にジャンキーだね と 
みんなで笑ったのが いつだったのか

夜の切れ目がなく
変な時間に まどろんで 起きるので よく思い出せない・・・・・


どうやったら むくみが 取れるのか 
トンプー(頓服)は 何時に 飲ませたか
唇の色が まだ赤いから だいじょうぶ
明日は 看護師さんが 来る日か 誰が会いに来るか
昨日まで 4人の子どもたちが 抱えていた 在宅看護の 課題と 確認事項と

誰に連絡するか 弁当はいくつ頼むか お返しはどうするか 写真はどれにするか 
なだれるように押し寄せる  今の課題が 違い過ぎる。
その 追い立てられるような 課題の渦をこなすことで 誰も 泣かずに いられるだけだ。

なぜ? どうして?  
12年前のとっちゃんショック(父親の急逝)も
お母さんと 4人の子どもたちで こんなに明るく乗り越えてきたのに

とっちゃんは 朝起きたら 突然だった。

からだを くの字におりまげて 病院の廊下の白い壁に もたれかかって泣いていた 
小4のちーくんの 小さい姿が 今でも甦る。
真夜中のマックの入り口にしゃがんで 空を見上げている ちーくんは
22才の誕生日が 来週だ。 

Je ne sais pas・・・・・ je ne sais pas・・・・・

僕には わからない・・・・・・  太陽のせい?  許せない・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

ともこさんの恐竜ワークショップに来てくれた のんさんから
7月に お手製デザインのCDが 送られてきた。  ちえさんに 聴いてほしいな・・・


何億光年 輝く星にも 

寿命があると 教えてくれたのは あなたでした

季節ごとに咲く 一輪の花に

無限の命 教えてくれたのも あなたでした

うう なんだこれ・・・ かけて フリーズした。

山口百恵が ウェデイングドレスみたいな まっ白なドレスで
静かにかがんで マイクを舞台に 置いた。
リアルタイムで 彼女の 引退の舞台を 覚えている。
『さよならの向こう側』は その時の 歌だ。

阿木曜子と宇崎竜童夫妻の作詞作曲で
山口百恵という歌手を 引退という形で 存在せしめる 圧倒的な歌だった。

のんさんが 送ってくれたCDは、
旭化成のコマーシャルにも 使われた TeNの カバーで
包みこむような 歌い方が からだに 浸みる。 

のんさんは 父の岡山県立大学大学院の教え子で
父の故郷を訪ねて 仙台まで 家族で行ってしまった人だ。
その やっちまえ突撃体質が 気に入って
会ったこともないのに ねもとパーティに誘ってみた。 
ら 家族4人で 来てくれた。(笑)

「アハハハハハ のんさん ウケる。 サイコー♪」 

この奇妙な 新しい出逢いを 高笑いして 喜んでくれたミチコちゃん。 

いつも 不思議な出逢いを 丸ごと引き受けて 
ガッツリ組みこんで 展開してしまうのが 私とミチコの やり方だったのに。
そうして たくさんの家族や若者を 自分の家族みたいに 応援してきたのに。

結局 のんさんとは ブログのコメントと写真で逢うだけで
ミチコちゃんは 生のんさんには 逢えなかった。

thank you for your kindness
thank you for your tenderness
thank you for your smile
thank you for your love 
thank you for your everything

うう  しっかしなぜ このタイミングで この選曲・・・・・

のんさんは ミチコちゃんの肺がんのことも知らないから
父をイメージして このCDを 送ってくれたのだろうか・・・


眠れないほどに 思い惑う日々
熱い言葉で 支えてくれたのは あなたでした
時として一人 くじけそうになる
心に夢を 与えてくれたのも あなたでした

last song for you last song for you
涙をかくし お別れです

うう 私 こういう ベタなの 苦手なんだよねぇ・・・・

ベッドの ミチコちゃんに ギューっと 抱きしめられた。

会いたかった。
あなたに 会えて よかった。愛してます。
こんな 私のために たくさんの ものに 出逢わせてくれて
ほんとに ありがとう。

たどたど 苦しそうに かすれた声でささやいた ミチコちゃん。
職業柄 何十年もやってきた 学期末の 通知表の コメントみたいに
胸の痛みのあまり ぼんやりした思考 まとまらない言葉を繋げて
ひとりひとりに ずっと ことばを ずっと考えてきたんだね。
うん うん わかるよ。 でも・・・・ 
 
ちょっとぉ ダンナと 間違えてるんじゃない?
とっちゃんと やれよ〜

笑ってごまかした。 

私 いつも 間に合わない女。  なんだ。
母の最期にも 父の最期にも 立ち会わなかった。
だから 苦手なの こーゆうの。 ごめん。


いつものように さりげなく
あなたの 呼びかけ あなたの喝采
あなたのやさしさ あなたのすべてを
きっと 私 忘れません
後ろ姿 見ないで ゆきます

さよならの かわりに

 
丸投げ ゆるさんからねっ! 向こう側に 行ったって 
友ハラ(友だちハラスメント) 続けるからっ!









附記
父の時よりも 母の時よりも 自分がフリーズすると わかっていたので 7月に 書きました。 ↓ 

家出スイッチ♪ http://kankarakan.jugem.jp/?eid=936 

 
ふ ふ よく書けてるよ。
その時のために 取っておけば?(笑)  ミチコのメール

うん でも ミチコ姫に 読んでもらわないと 意味ないからさっ。
生前弔辞(笑) 出すよ。 ありがと! 
 

この歌も この歌も  意味不明 受け容れられない 不条理に対する 怒りです。  

a day in our life  http://kankarakan.jugem.jp/?day=20090508

My wonderful life http://kankarakan.jugem.jp/?eid=902
  



 
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20日に伺った時、戸隠で、初日からやらかしてくれた二人の顛末を、先生のメールを読んで笑っていたミチコさん。本当は、あの、先生節で、直接聞いてほしかった。
お二人が、いろんな思いで行かせてくださった戸隠での体験。いつかこども達のなかで熟成して、他の人の為に還元してほしい。
「トッシーは、パーティーに出会えて本当によかったですね。本当は、どの子にもああいう場所が必要なんです。」って、ゆっくりゆっくり話してくれた。

昨夜、先生のブログ読んで、また涙目になってる私の所に来て、すっと指を差し出す。見ると、マニキュアを塗ったピカピカの指・・・。う〜ん、ちょっと勘違いしてる?
昼間、喪服を出しているところに来て、「僕も黒のネクタイする」と言い張るので、ダンナの古いネクタイを短くしてあげたばかり。
彼なりに、キモチをカタチにしようとしているのか・・・。

今日、黒のネクタイして、ピカピカの爪した彼と、この世のミチコさんに最後のお別れを言いに行きます。
「トッシー、オシャレしてきたね」って
声が聞こえてくる気がする。

2010/08/27 6:33 AM, from nauman
6月22日、それがミチコさんとの最後の思い出だ。いつものように「かわいいゆうゆ」と言ってくれた。その日は私の大好きなミチコさんお手製のちょー健康温野菜をごちそうしてくれた。家で幾度も真似して作ろうとしたがやはりミチコさんのほんわかオーラなしでは未完成のメニューだ。その日はお気に入りのせいろを焦がしてしまってかなり落ち込み気味のミチコさん。初めて見た子供っぽいかわいい一面だった。

私はミチコさんに聴いてもらいたくて二胡をしょって帰国。二胡は人の声に一番近くてリラックスできるから。いつも熱心に聴いてくれて「ゆうゆうまくなったね。」って言ってくれる。

今でもねもパに帰ったらちえ先生お手製、梅干し入りカレーをよそってほほ笑むミチコさんがいる気がする。

わたしにできることはなにか。天に昇っていっているミチコさんに少しでも届くように。また「ゆうゆうまくなったね。」ってほめられるように。今日も、明日も二胡の音色を響かせる。
2010/08/28 11:54 PM, from ゆうゆ
美知子さんが逝ってしまった。メールを見たとき、動悸とめまいがして、どうして良いかわからなくなった。不思議な魅力を持つ先輩。
一昨年の冬、美知子さん母娘御一行様が遠路はるばる我が家へ来てくれた。女5人で、すごく楽しく過ごした。私もゆうゆもあの母娘のほんわかオーラにくるまれて、クールな娘を持つ我が家では珍しく、ほんわかが暫く続いた。遠赤外線のようなじわ〜〜〜っと伝わる温かさをいつもふりまいてた。
特に、我が家の娘、結構世の中を斜めに見ているが、美知子さんの言葉は、まっすぐに伝わるらしい。美知子さんは良くメールのおしまいに、「かわいいゆうゆによろしく」と言葉を入れてくれていたが、それを伝えると、くすぐったそうにする。
美知子さんの病気が分かった時、二胡を練習してお見舞いすると言って、頑張って練習し、6月に会いに行った時に聴かせることが出来、良かった。美知子さんも喜んでくれたが、ゆうゆの方が、美知子さんに褒められて喜んだ。その光景を見ながら、私も喜ぶ。そんな温かい時間を下さる人。
ゆうゆもコメントに書いていたが、最後にお会いした時に、こだわりの高級セイロを焦がしてしまい、すご〜〜くうろたえていた美知子さん。なんだか、すごくショックな様子だったので、申しわけなさが残って、今度日本に帰る折には、香港のオーダーセイロの店でセイロ買って伺おうと思ってたのに。
帰りには、車で駅まで送ってくれたが、咳がひどく出て、心配だった。ずっと、(無理させてしまった。)と後悔していたが、8月19日の晩に、美知子さんの夢を見た。
茶色のセーターを着てこちらに歩いてきて、私の名を呼んだ。
あの、静かでおっとりとした呼び方で。咳の事を気にしてた私は、美知子さんに、「咳治ったんですか」と聞いた。そうしたら、美知子さんは、「そう。ふふ」と軽く答えて、またどこかに行った。
きっと、私に気にしないでって伝えに来てくれたんだと思う。すごく繊細で、気を使ってくれる人だったから。
美知子さんの周りには、自然と人が集まっていて、その周りの人たちをつなぎ合わせていた。千絵先生と美知子さんとの奇跡的な出会いのおかげで、今、私もゆうゆもその和の中に身を置いている事の幸福に感謝。
そして、美知子さんにも感謝。




2010/08/30 1:08 PM, from 丸投げjunko









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