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April come she will

April come she will・・・
4月になれば 彼女は

明るい春の陽差しの中で 小鳥が さえずり出すような アコースティックギターのイントロと
静かに滑るように入る アート・ガーファンクルの澄んだ声が なんとも言えない。
サイモン&ガーファンクルの 数ある名曲の中でも 大好きな歌だ。
 (S&Gについては あまりに血肉なので また別に書くね)

May she will stay 
July she will fly 

月名と 彼女の行動は 韻を踏んで
彼の妄想(または記憶)の中で ソネットのように進んでいく。

4月になれば という 季節と未来形の順接に ことさら胸が高鳴るのは、
4月が 新学期、新年度、会社もフレッシュマンを抱え、
異動や身辺の変化の多い 日本ならではの 感覚なのかもしれない。

April come she will の come は
she will come の 詩における倒置だろうから
4月になれば と will come が 4月にもかかったように感じるのは
日本人だからなのかもしれない。 

動詞を先に書かない 日本語ならではの どうとでも取れる展開が、
未来の不確実性を高めて よけいにざわざわする。
タイトルの日本語訳は 妙訳だなぁと思う。

彼岸というのに まだうすら寒い3月のある日、
なぜか突然この歌が脳内に流れ 彼女を思った。
彼女は 私の大好きな若い作家。

キレのいい甘さのない文章で、とんとんとスピードよく若者の会話が進んでいく。 
男の子のバカみたいな屈折を書かせたら、とびきり巧い。
私はあまり小説を読まないが、会話が不自然でなくトントン進む作品は好きだ。
しかもなぜか語り手が「僕」に弱い私。

彼女と出会ったのは、彼女が中学生の時。 息子の同級生だった。
いろいろ話していたら 彼女は物語を書いているという。
 
え? 読ませて!読ませて! 

見せてくれた数枚の原稿は 外国のファンタジィのようだったが、
す、すごい・・・・ 中学生が書く文章か・・・・ と 鳥肌が立った。

すぐに返事のFAXを書き殴った。(当時はまだメールがなかった)

大人になっても絶対書き続けて! 作品ができたら、最初に私に読ませてね! 

彼女は 宮崎駿のアニメ『耳をすませば』のビデオを貸してくれた。
中3の秋。みんなが受験に向かっているその時に、
どうしてもやりたいことがある と物語を書いていた月島雫と 彼女がだぶった。
セイジのおじいさんの言葉。
 
あなたは 原石を持っている。それを磨きなさい。
 
そんな 約束はとうに忘れていたが、
あの約束から 10年以上たった 2年前の夏、

約束どおり 会社をやめて 物語を書き上げたので、最初にちえさんに読んで欲しい。
と 分厚い物語が送られてきた。

それは 高校生と音楽の物語で、
私は本当に 一人の作家の誕生に立ち会った幸福感に 胸がいっぱいになった。

その後 彼女は ガシガシ作品を書いている。

作家は(いや あらゆるアーティストは) いつ作家になるのだろう。
こちらの 胸を打つ作品を創っていれば 作家ではないのか。
賞をを取るとか 本が出版されるとか 売れるとか
多くの人に届かない限り 作家ではないのか。

April come she will

この音楽が 本当にひさしぶりに脳内に流れた日、
ひさしぶりに 彼女からメールが来た。 
なんだかいつも 音楽と 彼女と私が 不思議に シンクロする。 

何月でもいい。  
なれば という未来形に、いつだって反応の遅い社会が 追いつく日はいつなんだろう。
待っている。

4月になれば 小学校の先生になる彼女。 役所で働く彼女。
4月になれば 家族と見知らぬ土地 仙台に引っ越す彼女。 10年ぶりに学生でなくなる彼。
4月になれば 病気との闘いを始めて1年をクリアする彼女! 新しい学校へ通う 彼や彼女。
私の周りの 若者たちも 先の見えない未来に ざわざわ落ち着かない。

4月を待つ 落ち着かない3月の気分バンザイ!
その胸さわぎこそ 新しい展開への エンジンだよ。




| 音楽の話をしよう♪ | 10:03 | comments(2) | trackbacks(0) |
Comment
エンジン全開!
走りますo(^o^)o
2010/03/28 3:14 AM, from あっきい
こんなに特別な4月は初めてかも。
新しい出会いにワクワクどきどき♪
2010/03/29 2:02 AM, from えりこ









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