『 ふたりのイーダ 』  松谷みよ子

小学校で週に1回、木曜日の朝自習の15分の時間に お母さんたちが本を読んでいる。どんぐりどんぐら というグループ。1999年に始まり、今年の秋で9年めに入る。全学年全クラスにお母さんが入るので、ボランティアのお母さんは20人以上。
私のように、もうとっくに小学生のいない年配お母さんも多い。

私は1年生を担当するのが好きだ。キンチョーして入学して、妙におりこうにしつけられていく1年生たちに、五味太郎『そら はだかんぼ!』長新太『なにをたべたかわかる?』たかどのほうこ『まあちゃんのまほう』などを読んで来た。
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朝から晩まで「ちゃんとしなさい!」という言葉を浴びて毎日を送っているこどもたち。いいよいいよ。ほら、絵本の中は、ワンパク坊主や元気印の女の子が、はちゃめちゃ大冒険をやっているじゃない。できるだけそんな本を選ぶようにしている。「ええ〜!そんなバカな!」こどもたちのびっくりした顔を見るのが大好き。先生も一緒になって笑ってくれると、教室中の温度が上がる。080317_2106~01.jpgおもしろかった? ね、おもしろいことって、ちゃんとしてない時に起こるんだよ。そして、おもしろいことはパワーをくれるんだ。(どんぐりどんぐら第1記録集より 私の報告)

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高学年には、これまで
リンドグレーンの「長くつ下のピッピ」や
同じくリンドグレーン「やねの上のカールソン」
松谷みよ子「龍の子太郎」などを読んできた。
前にも書いたが、ピッピを知らないで育つ子が多い。




080317_2059~01.jpg 今年は、6年生に松谷みよ子の「ふたりのイーダ」
を読んだ。時間が取れなかったので、さわりだけ読んで、後はぜひ自分たちで読んでほしいと丸投げしたが、何人の子が読んでくれるだろうか。

この学年はどんぐりどんぐらのお母さんたちの企画で、3クラス全員の子どもたちがが「東京大空襲」「沖縄戦」「広島原爆」の朗読をしてテープに吹き込んだ。お母さんが図書館の本から画像を起こしてプロジェクターで映写しながら、全員で朗読を聞いた。
パーティで、軍隊の話をした時も、沖縄戦のことや原爆のことをよく知っていて感心した。


『ふたりのイーダ』は、広島のおじいちゃんおばあちゃんの家に、お母さんの出張の間預けられた小4の直樹と、2才11ヶ月のゆうこ(イーダ)の物語。
「イナイ、イナイ、ドコニモ イナイ・・」とつぶやきながら歩くイスに出会った直樹が、イスが帰りを待っているイーダとは誰なのか、なぜ帰って来ないのか、なぜ妹のイーダは、なんの抵抗もなくイスと遊ぶのか・・・と謎を探っていく。イスがいる誰もいない家にあった日めくりカレンダーの2605年8月6日の謎・・・広島の現代の生活の中に潜むぬぐえない歴史を、小4の直樹と近所のリツ子さんが一つ一つ解いていく過程はスリリング。何度読んでも、どきどきする。
大人の方も、まだ読んでなかったら是非読んでほしい名作だ。(講談社青い鳥文庫)

今日は小学校の卒業式。6年間で読んでもらった本の総数は295冊! 
(卒業時に、全リストを渡している)
中学へ行っても、おもしろい本、おもしろいことにたくさん出会ってほしい。
卒業おめでとう!

| おばんのゴリ押し 本 | 11:50 | comments(7) | trackbacks(0) |

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